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処分業許可証を確認したい全ての人へ、徹底解説!【保存版】 
産業廃棄物を処分委託する際に欠かせない、委託先の産業廃棄物処分業許可証。日々の廃棄物管理業務が多忙の中、許可証の内容をじっくりと理解する機会はなかなかありません。しかし、それが故に思わぬ事態を招くことがあります。そこで今回は改めて産業廃棄物の許可証のしくみについて、主要な部分をご紹介します。
※都道府県・政令市により許可証の様式や書式等異なる場合がございます。
※政令市とは、政令指定都市と中核市、大牟田市を指します。(2018年10月現在)
※本記事は、2012年4月に執筆した記事を加筆・修正しています。
どこに何が書いてある?許可証を徹底解剖!
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1. 許可番号 |
許可証の右上にある10桁または11桁の許可番号にはそれぞれ決まりがあり、左から順に「都道府県・政令市番号」+「業の種類を示す番号」+「都道府県・政令市が自由に使用できる番号」+「固有番号」となっています。
ちなみに業の種類を示す番号とは下記のとおりです。
※許可主体は業を行う区域を管轄する都道府県または政令市の許可が必要となり、収集運搬業の場合は産業廃棄物(特別管理含む)を積み込む区域および荷下ろしを行う区域に限ります。 |
2. 優良マーク |
優良認定を受けると表示されるマークです。 |
3. 住所・氏名・代表者 |
住所・名称・代表者の欄については、登記簿謄本に記載されている所在地や名称が記載されています。そのため、普段、見慣れた住所とは異なる表記がなされている場合があります。アミタ姫路循環資源製造所の場合は、「姫路市網干区浜田字西新々田1287番9他1筆」となっています。 |
4. 許可の年月日 |
新規で業を始めた会社または合併等で事業主体が変更になった会社は、許可日が記載されますが、事業更新を行っている会社は更新許可日が記載されます。 後述しますが、この部分が偽造されたケースもあります。 |
5. 許可の有効期限 |
産業廃棄物(特別管理含む)の許可の有効期間は通常5年間ですが、優良産廃処理業者認定を受けている処理会社は7年間有効となります。 |
6. 事業の範囲 |
処分方法や処分できる産業廃棄物の種類が記載されています。特に許可証が更新された際は、汚泥や木くずなど産業廃棄物の種類だけでなく、処分方法にも着目し、必ず産業廃棄物の種類と処分方法をセットで確認しましょう。 |
7.事業の用に供するすべての施設 |
施設の設置日や設置場所、能力等が記載されています。施設の設置場所は土地の登記簿謄本を基準に記載されます。 |
8. 許可の条件 |
許可申請時に提出された資料や設備等を参考に、都道府県または政令市から条件を指定され、記載されています。 ※条件がつかない場合もあります。 |
9. 許可の更新又は変更の状況 |
この欄には過去から現在までの新規許可・変更許可・更新許可内容が記載されています。 ちなみに、新規許可は、合併等で事業主体が替わる場合も新規許可扱いとなります。アミタは、過去スミエイト興産株式会社を吸収合併したため、スミエイト興産がもともと持っていた許可を継続せず、その時点で新規の申請となっています。 |
よくある疑問Q&A
Q. 許可証が偽造されていることはあるのでしょうか?
A. 偽造されている場合があります。
過去には、処理会社から提出された許可証の偽造を見抜けずに、排出事業者の会社と環境管理責任者に罰金100万円という処罰が下った例があります。
これは前述した、「許可の更新又は変更の状況」に更新履歴がなく、新規許可の記載内容と「許可の年月日」「許可の有効年月日」の内容等が一致していないため、偽造が発覚したものです。
排出事業者は、この偽造を見抜けず、結果的に無許可業者へ処理委託をしていました。
本ケースでは、他にも要因があったため、廃棄物処理委託契約の違反事例としては重い処罰となったようです。
通常、現場の担当者がここまで詳細に確認しているケースは少ないと思われますが、「知りませんでした」ではすまされない事態に発展することもあると改めて認識し、チェック体制を構築いただければと思います。
Q. 更新手続き中の許可証は有効ですか?委託を続けると無許可会社に委託していることになりませんか?
A. 更新許可の結果が出るまでの期間であれば、その許可は効力を有するため、無許可会社に委託することにはなりません。
詳しくはこちらを参照してください。
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Q. 都道府県の許可証と市の許可証、どちらの許可証が必要になるのでしょうか?
A. 政令市※の場合は市の許可証、それ以外の市は都道府県の許可証を取得する必要があります。
処分業の許可の権限は、都道府県の知事が有していますが、政令市の場合は、市の長が行うことができ、権限が引き継がれています。
例えば、アミタ姫路循環資源製造所の場合は、立地する姫路市が中核市であるため、兵庫県ではなく、姫路市の許可を取得することとなります。この場合、姫路市の許可を取得していれば、兵庫県の許可は不要です。
※政令市とは、政令指定都市と中核市、大牟田市を指します。(2018年10月現在)
詳しくはこちらを参照してください。
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参考
環境省ウェブサイト「産業廃棄物処理業者情報 検索システム」